香道 泉山御流 悠潺庵

川畑 華香

香道 泉山御流 教授
中国支部支部長 悠潺庵 川畑 華香

悠潺庵とは「雲悠々、水潺々」という古語にちなんで命名していただきました庵号でございます。本来の意味には奥深いものがございますが、わかりやすく申し上げれば「雲は大空を絶えず悠々と流れ、水は大地を絶えず潺々と流れている」とのことでございます。

 私が香道の魅力に惹かれて悠々潺々と宗匠より教えを受けて参りましたながい月日の間に、お香を楽しまれる方がひとりまたひとり悠々潺々と私の元へお越しになられました。

香道では、小さく切った香木を掌に乗る香炉の中で緩やかに燻らせ、その香りを楽しみます。静かに香りを聞く「名香聞き」と幾種類かの香りを組み合わせて違いを聞き中(あ)てて遊ぶ「組香」とがございます。

 今日まで伝えられてきた「組香」は何百種とあり、そのほとんどが古典文学や和歌、あるいは有職故実を主題にして編み出されていますので、繰り返し遊ぶうちにお作法とともにいつしか身に付いて参ります。

 時代を遡れば、選ばれた身分の方々でなければ触れることを出来なかった香道の世界も、現在では感性を持ち合わせた方ならどなたでも楽しむことができます。香木の香りに導かれて今日まで伝えられて来た、いにしえの人々の深い教養と磨かれた美意識に、必ずや皆様も心打たれることでしょう。

 この豊かな香道の文化をお一人でも多くの方々と集いながら悠々と楽しみ、次の世代へ潺々と伝えゆく庵でありたいと願っております。

正師範 悠潺庵主 川畑 華香

悠潺庵イメージ